モンゴメリ

2019年02月06日

赤毛のアン&TOEIC(4)

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「赤毛のアン」の第四弾にまいりましょう~。→  過去のエントリーはこちら

カスバート家の里子になって初めて、アンは様々な楽しみを知ります。
その1つが日曜学校のピクニック。
今度のピクニックでアイスクリームを生まれて初めて食べられると知って大興奮。
その様子に、Marilla(里親)は、後でがっかりするんじゃないかと心配します。
するとアンは:

Looking forward to things is half the pleasure of them. (中略)
You mayn't get the things themselves; but
nothing can prevent you from having the fun of looking forward to them. (中略)
I think it would be worse to expect nothing than to be disappointed.

blog1919
(You probably won't get it, Nico.)

和訳してみると:

Looking forward to things
 何かを待ち望むことって、

is half the pleasure of them. 
 楽しみのうちの半分だわ。

You mayn't get the things themselves; but
 その事自体は実現しないかもしれない。だけど

nothing can prevent you  
 あなたをじゃまするものは何もないわ

from having the fun of looking forward to them.
 待ち望むという楽しみを持つことを(じゃまする)。

I think it would be worse to expect nothing
 私が思うに、何も期待しないことのほうが良くない

than to be disappointed.
 がっかりすることより。

・・アン、すご過ぎませんか。
期待どおりにならなくても、絶望することなく、
「楽しみにすることがあっただけ、めっけもの」
と考えるとは、なんという鋼のメンタリティ・・。
楽しみにすることが少ない人生を送ってきたアンにとっては、処世術の1つであったのでしょう。

ダイエット中の私で言えば
「これだけ気を付けていたんだから、めちゃくちゃ痩せてるんじゃない、ワタシ?」とワクワクできただけよかった(実際は全然減ってなかったけど)・・という感じでしょうか。
きびしーい。

更にTOEIC受験者ならば
「これだけ頑張ったし、本番でも大きな失敗しなかったから、
絶対スコア上がったんじゃないの~?!」と期待しちゃうほど頑張れてよかった(実際は目標スコアに届かなかったけど)・・かな。
確かに、がんばったときってスコアが届くのが楽しみだったりしますよね。

英語屋の新学期もスタート。
We welcome an influx of students!

期待できるくらい、がんばらにゃあ~!ね、ダイエット中のニコ(&私)!
blog1920


(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
look forward to ~を楽しみににする、待ち望む(~には名詞or動名詞)
half the+名詞 ~の半分
pleasure 楽しみ
prevent O from ~ing  Oが~するのを邪魔する、防ぐ 
have the fun of ~という楽しみを持つ
worse than ~ ~よりも悪い (worseはbadの比較級)
(be) disappointed がっかりしている、落胆している


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2019年01月26日

赤毛のアン&TOEIC(3)

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「赤毛のアン」の第三弾にまいりましょう~。→  過去のエントリーはこちら

アンは生後数か月のときに両親が相次いで病死して孤児になるわけですが、親類縁者でひきとってくれる人はおらず、たまたま近所に住んでいた赤の他人に育てられます。そのときのことを尋ねられると、アンは決して恨み言をいいません。そればかりか、そのときどんな扱いを受けたかと尋ねられると、アンは真っ赤になって恥ずかしそうに、こんなふうに言うのです:

I know they meant to be just as good and kind as possible. And when people mean to be good to you, you don't mind very much when they're not quite - always. 
(中略)
It's very trying to have a drunken husband, you see; and it must be very trying to have twins three times in succession, don't you think? But I feel sure they meant to be good to me.

blog1908
a drunken cat ・・ではありません。・・ま、当然か。


和訳してみると:

I know they meant to be just as good and kind as possible. 
わかっているのよ、彼らができるだけ親切にするつもりだったと。

And when people mean to be good to you,
人があなたに親切にするつもりがあるなら、

you don't mind very much
 そんなに気にならないのよ

when they're not quite - always.
彼らがいつもそうではなくても。

It's very trying
とてもつらいことなのよ

to have a drunken husband, you see;
酔っ払いのご主人を持つことは、ね。

and it must be very trying
それに、とっても大変に違いない

to have twins three times in succession, don't you think?
双子を3組も連続で持つなんて、そう思うでしょ?

But I feel sure they meant to be good to me.
だけど私は確信しているの、彼らが私に良くするつもりはあったと。


この部分、いつ読んでも胸が熱くなります。
「優しい気持ちを持っている人が、優しくしてくれないときがあっても、気にしない」というのは、なんと素敵なメッセージでしょう・・。いつもは優しい人が、ときにイライラしていたり、心無いことを言ってきたとしても、そういうときもあるか・・・と流し許せる力が果たして私には備わっているか、と自問してしまいます。

言葉を返せば、アンは親切にされたことのほうが少なかったのでしょう。でもそれを認めると自分がみじめになる・・そんな思いもあるのでしょう。11歳の女の子にこのセリフを言わせるところが作者モンゴメリのすごいところです。


(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
mean to do  ~するつもりがある
as ~ as possible  できるだけ~
mind 気にする 
not ... very much それほど~ない
not quite  ~とまではいかない、~ほどではない
must ~にちがいない
three times 3回
in succession 連続で (= in a row)




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2019年01月04日

赤毛のアン&TOEIC(2)

TOEICをとことん分析・追求したオリジナル教材で指導、カリキュラムを組んでいます。オンライン&教室受講受付中!
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アンは好奇心旺盛で、たくさん質問するのですが、「質問をする」という行為について、こう語ります:

How you going to find out about things if you don't ask questions?

更に、「わからない」ということについては、こんなにポジティブに捉えています:

Isn't it splendid to think of all the things
there are to find out about?
It just makes me feel glad to be alive.
It's such an interesting world.
It wouldn't be half so interesting
if we know all about everything, would it?

blog1903
(ニコがこんなポーズをしながら寝る理由も謎・・)

和訳してみると:


How (are) you going to find out about things 
どうやって、物事について知るっていうの?

if you don't ask questions?
質問しなかったら。

Isn't it splendid to think of 
 ~のことを考えるのって素晴らしないかしら

all the things (which) there are to find out about?
 知るべきことがこれだけあるって(ことを)
→【否定疑問文

It just makes me feel glad to be alive.
(そう考えると)生きていることがうれしくなるの。

It's such an interesting world.
 なんて世界はおもしろいんでしょう。

It wouldn't be half so interesting
 おもしろさは半分でしょうね、

if we know all about everything, would it?
 何でも全部知っていたら、そうでしょ
→【付加疑問文


TOEICのPart2にも毎回登場する「否定疑問」と「付加疑問」を含んでいますね。疑問文の形をとってはいますが、質問しているわけではなく、独り言の延長のようなもの。孤児だったアンには、話をゆっくり聞いてくれておしゃべりを楽しめる家族や友人がいなかったので、こんな自己完結型の話し方になったのかもしれません。そしてこれが、超絶人見知りのマシュー(里親・父)と気が合う理由の1つだというのも、なかなかおもしろいポイントです。

また、この「知らないことが多いほうが、世界はinteresting」という考え方には、なかなか衝撃を受けました。知らないことが多い=無知・・とネガティブに考えてしまうところを、知らないことが多い=これから知る楽しみがある・・と超ポジティブにとらえるアン!・・2019年は、知らない単語の1つや2つ、いや100語や200語、楽しんでいかなきゃ損ですね~。


(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
find out 知る、わかる、明らかにする
splendid 素晴らしい、優れた
think of ~について考える、思う
make me feel ~ 私に~だと感じさせる
alive 生きている
such a(an) 形容詞+名詞 とても~、こんなにも~
not half so +形容詞 半分も~でない

否定疑問文:否定語(Don't, Isn't 等)から始まる疑問文
付加疑問文:平叙文の後に、簡単な疑問形(~、isn't it? / have you? 等)を付ける疑問文




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2018年12月25日

赤毛のアン&TOEIC(1)

グループ・マンツーマン・オンライン・教室受講選べます。新教室で再始動!
以前、赤毛のアンが「100分de名著」で取り上げてられていたのに刺激をうけて、初めて原書で読んでみました。

小学校の頃、村岡花子訳版を夢中で読みましたし、図書館でその後のシリーズ(「アンの青春」「アンの幸福」等々)も次々に読んだものです。昔、アニメでやっていた「赤毛のアン」もよかった・・。

というわけで、しばらく「赤毛のアン」の話を書いてみようと思います。


【「赤毛のアン」をよく知らない方のための注釈】
・アン・シャーリーは孤児の女の子(11歳)
・カナダ・ノバスコシア州の孤児院から里子にもらわれてくる。
・里子に迎えるのは50代と60代の独身の兄妹、MatthewとMarilla。カナダ・プリンスエドワード島で農業を営んでいる。
・本当は男の子を迎えるつもりだったのに、間違って女の子(アン)が来てしまう。


孤児院から引き取られる日から物語はスタート。Marillaが孤児院から里子を迎えることを伝えると、近所の友人に「危険だ!」と反対されてしまいます。そのときのMarillaのセリフがこちら:

There's risks in pretty near everything a body does in this world.(中略)
And then Nova Scotia is right close to the island.
It isn't as if we were getting him from England or the States. 
He can't be much different from ourselves.

blog44
(ハゲハゲでボロボロ、目も見えず駐車場で泣いていたニコが、うちの子になる前の貴重な一枚。この写真を撮った頃はすっかり元気に


和訳してみると:

There's risks in pretty near everything (which) a body does in this world.(中略)
 リスクはあるよ、ほぼ何にでも、この世で人間がやることには。

And then Nova Scotia is right close to the island.
 それに、ノバスコシアは、この島(プリンスエドワード島)のすぐそばだよ。

It isn't as if we were getting him from England or the States.
 イギリスやアメリカからその子をもらおうっていうんじゃないんだ。

He can't be much different from ourselves.
 その子は、そんなに私たちと違わないはずだよ。


リスクは何にでもある・・深いセリフですよね。その覚悟があれば、多少のトラブルは乗り切れるのかもしれません。何にもしないことにもリスクはあるし。

そして、私が昔の小説を読んでおもしろいなあ~と思うのは、当時の外国人に対する思いがとても身近に感じられること。このMarillaのセリフからも、カナダ人がアメリカ人ともイギリス人とも違うアイデンティティを確立し、自分たち以外の国の人を恐れている様子がうかがえます。

それから、話し言葉なので、文法的に??という部分があるのも興味深いですね。例えば:

There's risks 
→ risksと複数形なので「There are」が本来の形。

near everything 
→ 「ほぼ」という意味なので、「nearly」が普通。

ネイティブでも間違えるんだ~と、とちょっとホッとしたりしますね。

(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
pretty かなり
nearly ほぼ
right close to ~ ~のすぐ近く
as if S+V まるで~であるように
different from ~ ~と異なる



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