クリスティ
2018年10月18日
思てたのと違う語句(2)row
アガサ・クリスティの小説には、TOEICっぽい語句・表現がたくさん登場しますが、その中で「ええ~、思てたのと違う~」という意味で使用されている単語をご紹介します。前回ご紹介したのは drawing。
そして今日ご紹介するのは row。TOEICで登場する row と言えば:
TOEICでは「ケンカや言い争い」がテーマになることは今のところありませんが、実社会を反映させるなら、今後、登場するかもしれません(・・?)
それでは、先ほどの小説の一節も和訳しておきましょう:
↑殺人事件が起こる数日前の出来事です。
(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
in a row 一列で、並んで
row a boat ボートを漕ぐ
disagreement 論争・意見の不一致
argument 言い争い・口論
the sort of 名詞 who ~ ~というタイプの[名詞]
そして今日ご紹介するのは row。TOEICで登場する row と言えば:
(1)名詞 →「列」 in a row (一列で)
(2)動詞 →「(ボートなどを)漕ぐ」rowing a boat (ボートを漕いでいる)
これくらいの意味なのですが、クリスティの小説では「have a row」という形でよく登場します。例えば、
Evie's had a row with Alfred Inglethorp, and she's off.
-- スタイルズ荘の怪事件
She's the sort of woman who's never had a row with anyone in her life -
but rows always happen where she is.
but rows always happen where she is.
-- メソポタミアの殺人
どちらの小説も、複数の登場人物の中に存在する「不協和音」が鍵になっていて、上記の抜粋は、それを説明する部分です。
row の定義を Oxford Advanced Learner's Dictionary で見てみると:
(1) a serious disagreement between people, organizations, etc. about something
あることに関する、人々や組織等の間の 深刻な論争・意見の不一致
(2) a noisy argument between two or more people
2人以上の人による騒々しい口論・言い争い
そう、have a row は「ケンカする」ですね。ケンカといっても殴り合いとかではなく、あくまで口論。激しくののしりあうようなケンカ=rowです。
従って、この写真は row ではありません。
(ミヤが正義の猫パンチをニコに振り下ろそう・・というところ。でも倍ほど反撃されます。)
従って、この写真は row ではありません。
(ミヤが正義の猫パンチをニコに振り下ろそう・・というところ。でも倍ほど反撃されます。)
TOEICでは「ケンカや言い争い」がテーマになることは今のところありませんが、実社会を反映させるなら、今後、登場するかもしれません(・・?)
(ミヤにあえて噛まれるニコ・・このあと反撃に転じます)
それでは、先ほどの小説の一節も和訳しておきましょう:
Evie's had a row with Alfred Inglethorp, and she's off.
EvieさんはAlfred Inglethorpと言い争いをして、出て行ったよ。
EvieさんはAlfred Inglethorpと言い争いをして、出て行ったよ。
↑殺人事件が起こる数日前の出来事です。
She's the sort of woman who's never had a row with anyone in her life - but
彼女は、人生において誰とも口論をしたことがないけど
rows always happen where she is.
彼女のいるところで、いさかいがいつも起こるタイプの女性だ。
↑殺人事件の被害者の女性について語られた一文。
彼女は、人生において誰とも口論をしたことがないけど
rows always happen where she is.
彼女のいるところで、いさかいがいつも起こるタイプの女性だ。
↑殺人事件の被害者の女性について語られた一文。
in a row 一列で、並んで
row a boat ボートを漕ぐ
disagreement 論争・意見の不一致
argument 言い争い・口論
the sort of 名詞 who ~ ~というタイプの[名詞]
eigoyavocab at 12:38|Permalink│Comments(0)
2018年10月05日
思てたのと違う語句(1)drawing
アガサ・クリスティの小説には、TOEICっぽい語句・表現がたくさん登場しますが、その中で「ええ~、思てたのと違う~」という意味で使用されている単語をご紹介したいと思います。
上記のwikipediaの説明によると、withdrawing roomから変化したそうです。
withdraw には「引き下がる」「撤退する」という意味がありますが、邸宅では食事をdining roomで終えると、女性が先に別の部屋に「引き下がって(withdraw)」食後の珈琲などをたしなみ、男性陣が後でそこに加わる・・という形をとったそうです。映画やドラマ(ダウントンアビーなど)で昔の英国貴族を描写したものを見たことのある方はイメージしやすいでしょうか。
それでは「スタイルズ荘の怪事件」より、1つ文を読んで挑戦です。
Q: 次のdraw (過去分詞はdrawn) の意味は何でしょう~?
Unconsciously, everyone had drawn his chair slightly away from him.
無意識に、みんな彼から少しだけイスを・・・した。
A: 正解は
drawは他にも「カーテンを引く(開閉)」「注意を引く」「結論を導き出す」「客を呼び寄せる」といったふうに、様々な場面で、TOEICにも登場しますので、注目してみてくださいね。
(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
up and down うろうろ、行ったり来たり
entertain 楽しませる、接待する
term 用語
withdraw 撤退する、撤回する、引き下がる、引き出す
slightly 少し
draw O away from ~ Oを~から引き離す、Oを~から遠ざける
今日ご紹介するのは drawing。TOEICで登場する drawing と言えば:
(1)動詞 draw のing形 →「~を引く」「~を引き寄せる」
(2)名詞 drawing →「絵画(線画、デッサン)」「くじ引き」
これくらいの意味なのですが、クリスティの小説では「drawing-room」という形でよく登場します。例えば、
Cynthia and I went and sat by the open window in the drawing-room.
-- スタイルズ荘の怪事件
I was walking up and down smoking in front of the drawing-room.
-- アクロイド殺し
どちらの小説も、屋敷の中で殺人事件が起こるわけですが、お屋敷には、この謎の部屋がたいてい登場します。
wikipediaの定義を読んでみると:
A drawing room is a room in a house
drawing roomとは、家の中の部屋である
where visitors may be entertained, and
そこは、訪問者を接待することができる場所であり、
a historical term for what would now usually be called a living room.
「客間」とか「応接間」と呼ばれるものですが、なぜdrawingなのか?上記のwikipediaの説明によると、withdrawing roomから変化したそうです。
withdraw には「引き下がる」「撤退する」という意味がありますが、邸宅では食事をdining roomで終えると、女性が先に別の部屋に「引き下がって(withdraw)」食後の珈琲などをたしなみ、男性陣が後でそこに加わる・・という形をとったそうです。映画やドラマ(ダウントンアビーなど)で昔の英国貴族を描写したものを見たことのある方はイメージしやすいでしょうか。
それでは「スタイルズ荘の怪事件」より、1つ文を読んで挑戦です。
Q: 次のdraw (過去分詞はdrawn) の意味は何でしょう~?
Unconsciously, everyone had drawn his chair slightly away from him.
無意識に、みんな彼から少しだけイスを・・・した。
A: 正解は
↓
↓
↓
↓
↓
draw O away from ~ =「Oを~から引き離す」「Oを~から遠ざける」 drawは他にも「カーテンを引く(開閉)」「注意を引く」「結論を導き出す」「客を呼び寄せる」といったふうに、様々な場面で、TOEICにも登場しますので、注目してみてくださいね。
(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
up and down うろうろ、行ったり来たり
entertain 楽しませる、接待する
term 用語
withdraw 撤退する、撤回する、引き下がる、引き出す
slightly 少し
draw O away from ~ Oを~から引き離す、Oを~から遠ざける
eigoyavocab at 15:57|Permalink│Comments(0)
2018年09月26日
名探偵ポアロ & TOEIC(2)
アガサ・クリスティは、彼女の生み出した稀代の名探偵ポアロを「猫」っぽいと、描写することが多いのですが、今日は、クリスティの代表作の1つ「アクロイド殺し(The Murder of Roger Ackroyd)」よりご紹介しましょう。
物語の語り手、シェパード医師は、ポアロのしぐさを見て、心の中でこう思います:
The man reminded me in some ways of a cat.
この男は、ある意味、猫を思い出させた。
His green eyes and his finicking habits.
彼の緑の目と、細かすぎる気質だ。
finicking という耳慣れない単語ですが、finical とも言います。どちらも fine と同じ語源。fine には「良い」と言う意味のほかに「細かい、微細な」という意味があるので、そこから finicking / finical は「細かい、好みにうるさい、気にしすぎの」と言った意味になったようです。ただ、この語自体は、TOEICには出ることはなさそうです。
猫は本当にfinicking なのか?!
・・うん、個体差はありますが、まあ、私よりは間違いなくfinickingでしょうね。
I'm definitely NOT as finicking as my cats.
現在、病気加療中のテツは、特に finicking なほうだと思います。エリザベスカラー付けてる間も、毛づくろいをしようと、必死でもがいていました。結局、カラーをなめるだけなので、内側がベトベト・・。病気のときくらい、ゆっくり寝ててくれよ~(しばらくvet通いは続きます)。
(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
remind O of A OにAを思い出させる
in some ways ある意味、いくつかの点で
fine 細かい、微細な
definitely 当然、もちろん、絶対に
not as ・・・ as ~ ~ほど・・・ではない
物語の語り手、シェパード医師は、ポアロのしぐさを見て、心の中でこう思います:
The man reminded me in some ways of a cat.
この男は、ある意味、猫を思い出させた。
His green eyes and his finicking habits.
彼の緑の目と、細かすぎる気質だ。
finicking という耳慣れない単語ですが、finical とも言います。どちらも fine と同じ語源。fine には「良い」と言う意味のほかに「細かい、微細な」という意味があるので、そこから finicking / finical は「細かい、好みにうるさい、気にしすぎの」と言った意味になったようです。ただ、この語自体は、TOEICには出ることはなさそうです。
猫は本当にfinicking なのか?!
・・うん、個体差はありますが、まあ、私よりは間違いなくfinickingでしょうね。
I'm definitely NOT as finicking as my cats.
(テツ、がんばれ~!もう少しで元気になるよ)
現在、病気加療中のテツは、特に finicking なほうだと思います。エリザベスカラー付けてる間も、毛づくろいをしようと、必死でもがいていました。結局、カラーをなめるだけなので、内側がベトベト・・。病気のときくらい、ゆっくり寝ててくれよ~(しばらくvet通いは続きます)。
(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
remind O of A OにAを思い出させる
in some ways ある意味、いくつかの点で
fine 細かい、微細な
definitely 当然、もちろん、絶対に
not as ・・・ as ~ ~ほど・・・ではない
eigoyavocab at 16:27|Permalink│Comments(0)
2018年09月21日
名探偵ポアロ & TOEIC(1)
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名探偵エルキュール・ポアロは、クリスティの小説の中で「猫」っぽいと描写されることが多いのです。今日はそんな表現をご紹介しましょう。今日は「オリエント急行の殺人」の一節より:
His eyes opened.
彼の眼が開いた。
They were green like a cat's.
最後が「a cat's」となっていますね。「所有格の後ろには名詞が必要なのでは?」と思った方、鋭い!日本語(猫の目)から考えても、「 a cat's eyes」となりそうなもんです。
実は、この「名詞's」で、「~のもの」という独立所有格を作ることもできるのです。
例えば、
There are two cars in the parking lot.
駐車場に2台車があるね。
Which car is yours?
どっちが、あなたのもの?
このyours が独立所有格です(もしくは、所有代名詞とも呼ばれます)。your car と書くかわりに、言わなくてもわかる「car」を省略して表現するときに使うことができます。
yoursの代わりに、人名を使うと
Which car is John's?
どっちがJohnのなの?
と、「名詞's」で「~のもの」を表すことができるのですね。店舗や会社名がこのように「人名's」になっているのは多くて、マクドナルドの正式名称は「McDonald's」(マクドナルドさんのもの)だったりします。
ま、これが文法問題に登場することはなさそうですが、Part3の会話や、Part7のチャット問題などでは、自然に登場しそうですね。そんなのを1つご紹介しておきましょう:
Sean : Can I use your computer for a while?
Lucy : Sure, go ahead.
Sean : Is this yours?
Lucy: That's Mr. Poirot's. Mine is next to the copier.
ショーン:きみのパソコン、しばらく使っていい?
ルーシー:ええ、どうぞ。
ショーン:これがきみの(パソコン)?
Sean : Can I use your computer for a while?
Lucy : Sure, go ahead.
Sean : Is this yours?
Lucy: That's Mr. Poirot's. Mine is next to the copier.
ショーン:きみのパソコン、しばらく使っていい?
ルーシー:ええ、どうぞ。
ショーン:これがきみの(パソコン)?
ルーシー:それはポワロさんの(パソコン)よ。私のはコピー機の隣にあるわ。
(今日の「TOEICにも出るぞ!」語句)
like +名詞 ~のような
yours あなたのもの
mine 私のもの
名詞's [名詞]の、[名詞]のもの
Can I ~? ~してもいい?
Go ahead. どうぞお好きに、どうぞお先に
copier コピー機
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eigoyavocab at 17:22|Permalink│Comments(0)
2018年09月15日
オリエント急行殺人事件 & TOEIC(4)
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アガサ・クリスティの名作「オリエント急行の殺人」は、いろんな国の出身者が登場する点でもおもしろい構成になっています。主人公の名探偵ポアロはベルギー人、調査に協力する医師はギリシャ人、殺されるのはアメリカ人、列車に乗り合わせた乗客やスタッフは、イギリス人、ハンガリー人、ロシア人、イタリア人、スウェーデン人、アメリカ人、ドイツ人、フランス人。本当に西洋の縮図のようになっています。
その中でおもしろいな~と思ったのがこんなやりとりでした:
イギリス人男性(軍人)がこう言うのです:
I think the way these trains are overheated
私が思うに、これらの車両が暖房をきかせ過ぎている様子は
is something scandalous.
けしからんことだ。
真冬の旅なので、列車にはヒーターをつけているわけですが、彼には暑すぎるようです。
これに対して、この鉄道会社の重役である Bouc氏(ベルギー人)はため息をついて言います:
It is very difficult to please everybody.
全員を喜ばせるのは本当に難しいです。
The English, they open everything -
イギリス人たちは、彼らは、何でも開け放ちます。
then others, they come along and shut everything.
その後、他の人たちがやってきて、全部を閉めるのです。
It is very difficult.
本当に難しい。
イギリス人が暑がりで、窓でもドアでもなんでも開けたがるのに対し、他の国の人たちは寒いので閉めて回る・・といった愚痴ですね。
私も2003-2005年にかけて、イギリス・マンチェスターに留学したとき、「イギリス人、めっちゃ暑がり~」という印象を持っていました。
何せ、冬の間、すこしでも暖かい日があろうものなら、暖房を嫌ってすぐに窓を開けようとする・・寒がりのワタシや南国からきた留学生は震え上がっているのですが、お構いなし。真冬でもヘソ出しルックの女性もいたし・・。
(寒い日は、くっついていた頃のフクとミヤ )
「イギリス人=暑がり」って、クリスティの時代(この小説は1934年発表)から、欧州人にとっては共通認識だったのでしょうね~。このほかにも、イタリア人やアメリカ人に対する印象もいろいろ語られ、当時の一般人による文化論を読み解く上でもおもしろい作品です。また機会があったら、そんなこともご紹介したいと思います。
(今回の「TOEICにも出るぞ!」語句)
something+形容詞 ~なもの
It is 形容詞 to do ~するのは[形]だ
overheated 暖められ過ぎた、暖房し過ぎの
please (動詞)喜ばせる
come along やってくる、現れる
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eigoyavocab at 11:44|Permalink│Comments(0)